デジカメ測光

Photometry with Digital Single-Lens Reflex (DSLR) camera

デジタル一眼レフカメラを用いた変光星の測光観測に関する話題。
個人の HP にまとめていたものを部分的に移しました (2014/05/12)。

Introduction

近年、デジタル一眼レフカメラ(Digital Single-Lens Reflex camera; DSLR)の普及と低価格化に伴いデジカメを観賞用写真としてではなく測光観測や新天体サーベイなどに用いる天体観測者が増えつつあります。今日における変光星の観測手法は、伝統的な眼視観測と、冷却CCD カメラによる測光観測が主流でデジカメが第三の観測手段として期待されています。またデジカメは冷却CCDカメラに比べて安価で、センサーのサイズが大きく交換レンズが豊富などのメリットがあります。デジカメを用いた測光観測方法は「天体観測の教科書 変光星観測」 (pp. 115-119; 大金氏による執筆) で紹介されており、加えてWEB上にも有益な情報源や関連ソフトがあります (特に神奈川の永井氏の HPが充実) 。しかし、デジカメの測光値に対する信頼度はそれほど高くない現状があり測光値の検証が求められてきました (2009~2010年までの段階で)。

そのような中、2009年に板垣公一氏が発見した新星 KT Eri (エリダヌス座KT星) では、増光発見前の明るさを知るために、岡山の大島修氏らによってアマチュア天体写真家が撮ったデジカメ画像を広く募集し、それらを測定するという試みが行われました (参考情報: [1])。この結果はIAUCで公表され、学術論文 [2] の中でもデータが利用されています。その後、2013年に板垣公一氏が発見した肉眼新星 V339 Del (いるか座新星) の観測キャンペーンでは多くの人々からデジカメによる測光観測の結果が報告され、変光星観測にデジカメを利用する人が増えてきました。観測者の中には食変光星や脈動星を高い精度 (0.1~0.05等) で連続測光する方も現れ、ここ数年で観測方法やデータ処理を行うノウハウが国内で高まっています。

本記事では筆者が当時 (2010年) 行ったデジカメの測光値に対する検証結果 (+ 測光方法; 近日公開) や、デジカメ観測で得られた変光星の観測結果などについて紹介しています。

2010/07/05 記
2014/05/12 改

Contents
  • 使用機材
  • 検証結果
  • 撮影の方法
  • 測光の準備~ソフトの巻~
  • 測光の準備~RGB分解の巻~
  • 測光の準備~飽和チェックの巻~
  • データ処理~いざ測光~
  • データ処理~標準システムに変換~

現在、コンテンツを整理中です。内容は2010年に公開した情報をもとに書き直す予定です。

Documents
  • デジタル一眼レフカメラによる測光観測の検証 (PDF)
    2010年変光星観測者会議 (@花山天文台) の集録原稿
  • 食変光星ぎょしゃ座ζ星の2011年食におけるデジカメ測光観測 (PDF)
    2012年変光星観測者会議 (@岡山理科大学) の集録原稿
Light curves

デジカメ測光で得られた光度曲線例:

Light curve of T Mon. Each band

Light curve of T Mon.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Light curve of zeta Aur (2011 eclipse).

Light curve of zeta Aur (2011 eclipse).