傘と星座

※これまで、仕事で蓄積してきた天文系の工作や実験などについて、備忘録がてらこの blog に記録しておくことにする。

さて、星座傘といえば、群馬のOさんが開発されたこれ(星座早見傘)が業界では大変有名である。実用性を兼ねており、教育・普及の現場で色々な方が活用されていることと思います。

そういった中、もっと簡単な工作で(小さな子でも)、星座や夜空に親しみを持ってもらえればと思い、2016年度に我流の超簡易星座傘を考えたことがありました(星座早見的な実用性は無い)。

【準備物】イベント中に使ったスライドより抜粋

用意するものは、100円ショップのビニール傘(6本骨)、大中小に切り抜かれた星型シール、星座シート6枚(自作)である。

【台紙にあわせて星型シールを貼っている様子】

イベント参加者の作業じたいは非常に単純で、傘をひろげた状態で、星座シートを下にしき、星座の形(星の位置)にあわせて星型のシールを貼るだけである。(オプションとして、カラーの油性マジックで、星座線を引くのもアリだろう)

【星型シールの貼り方 / 星の明るさとシールの大きさの関係】イベント中に使ったスライドより抜粋

一応、星の明るさは考慮して(超大雑把に)、大中小の星型シールはある区間の等級に該当するようにした。ただ対象が小学校低学年だったこともあり(学校ではまだ星座のことすら学習していないため)、星の色までは再現しなかった。星型シールの色はランダムに準備し、子どもたちが好きな色で星座を作る形式をとった。そのため女の子なんかは、ピンク一色を頑張って寄せ集め、キュートな北斗七星ができたりもしていた。ちなみに、星の色と表面温度の関係は、発展的な内容として小学4年時に学習するため、対象(学年)によっては、星型シールの色を考慮してあげても良いだろう。

100円ショップ (ダイソー) で買ったホログラムシール.

なお、星型のシールはホログラムシールを用いて作成する。この商品は100円ショップにて折り紙サイズで売っていたものである(1つ5色×2枚ずつ、計10枚入り)。私の場合、これを星型のパンチで、自分でひたすら打ち抜いて準備した。ちなみに、このホログラムシールは粘着面(裏面)も銀色のホログラムになっており、シールを貼った反対側からもキラキラ見えるのが嬉しいポイントだったりする。

大中小の星型パンチ。中サイズ(中央)のパンチは100円ショップ。それ以外は楽天などで探したもの。

星型のパンチは大中小、それぞれサイズ感をあーでもない、こーでもないと試行錯誤し、以下のようなサイズで打ち抜けるものを選んだ(パンチは上の写真の通り)。大サイズは約2.5cm、中サイズは約1.5cm、小サイズは約1.2cm。イベントでは当時、35セット準備する必要があったので、大サイズは175個、中サイズは840個、小サイズは420個の星々を打ち抜いた。大・中のパンチはテコの原理式なので指の負担が少ないが、小サイズは鉛直に押し切るタイプで、失敗も多く(指が一番疲れる)、準備に最も苦労した点かもしれない。

ちなみに、100円ショップを巡っていると、星型のシールそのものが、売っていることもあるので、うまくイイものが見つかれば、修行のようにパンチをやる必要は無いだろう (^^; あと、星型パンチを複数用意できる(資金面に余裕がある)場合は、参加者に打ち抜いてもらうのもい良いかもしれない。

もし興味のある人は、以下に星座シートなどのファイルを置いておくので、天文の教育・普及(非営利)が目的であるなら、ご自由にお使いください(この記事のコメント欄に「使わせてもらうよ」と一言あると嬉しいかも)。スライドはあくまで参考程度に (^^;

シート内には北斗七星、しし座、はくちょう座、こと座、カシオペヤ座、オリオン座があります。しし座を除いて、小学校でも学習するものばかりです。本当はさそり座も入れたかったのですが、夏に偏るのでイベントでは除外(さそり座といて座のシートも作っていましたがお蔵入りっす)。

本工作はJAXA宇宙教育センターが後ろ盾となる「コズミックカレッジ」内で行ったものです。実施は2017年2月(2016年度)で、実施報告が JAXA のホームページで公開されている。

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