UGEM (ゆげむ) を使ってみた

2019年6月12日の晩、久々に変光星観測をするためカメラ (DSLR) を空に向けました(自宅のベランダから)。測光には VSOLJ で話題の増光監視ソフト UGEM (ゆげむ) を初めて利用させて頂きました。

マニュアルを見ながら初期設定をし、はじめは色々設定をミスりながらも… 何とか正常に動かすことができました。テスト時の機材は EOS kiss Digital X7i + 50mm, F1.4 です (架台は nano.tracker)。この組合せだと対角で約30°はあります。撮影はとりあえず適当に Her あたりを撮りました。UGEM で測光してみると高速でマッチングや測光が終わり、変光星ごとに四角くトリミングされた画像がリスト化され… うひょー!なにこれ、ホンマ凄い。色々感想はあるのですが、とてつもなく便利なソフトで本当に驚きました。

あと通常、観測をする人は画像の上を北にするかと思いますが、ポータブル赤道儀に自由雲台を載せて撮るような場合は、画像の南北がかなり無茶苦茶になります。そんな画像でも中心座標さえ把握してファイル名に反映させれば、きちんと測光してくれましたので、その点も素晴らしすぎる!と思いました。

そんなこんなで気をよくして、他の領域 (Aql, Peg あたり) も幾つか撮り、UGEM で測光すると、100件以上の結果がすぐに吐き出されました。このとき、測光方法の設定をマニュアルを見ながら色々試しました。ちなみに結果として出てくる星は、知らない変光星ばかりなので、念のため KWS などとじっくり比較し、明らかに変なのを除いて VSOLJ-obs に報告しました。

測光結果が悪かった星の要因としては、

・星が重なっている
・アパーチャー測光だとスカイの部分に (多分) 別な星がいる
(リスト画像に任意でアパーチャーの範囲を示す機能もあると判断しやすい?!)
・測光対象が画像の端に近い

でしょうか。ただ上記に関連しない星であっても測光値が怪しいのも幾らかありました。実は使っているレンズが古いので、レンズ由来と思われる色収差などが盛大に出ています。もしかしたらデジタルカメラ向けの新しめのレンズを使えば、改善する可能性もあるでしょうか。今後は別なレンズでテストしたいと思います。

なお撮影時の設定は Her あたりは

・exp. time 20sec, ISO 1600, F1.4 -> F2

Aql, Peg あたりは

・exp. time 20sec, ISO 3200, F1.4 -> F4

でした。F4 に絞ったのは周辺の星像を改善するためです。

それにしても、このソフトの登場で特にデジカメ測光観測のデータ処理が格段に楽になったと思います。製作者のK氏ならびに、開発協力・普及に尽力された Mdy さんには、恐れながらここに深く御礼申し上げる次第です。しばらく、UGEM で広視野観測を続けてみたいと思います。

ちなみに、広視野観測を続けるとなると、一つ期待してしまうことがあります。それは、やはり新天体(新星など)の検出です。Mdy さんにお伺いしたところ、UGEM では新天体が写っていたとしても、ソフトからのリアクション機能は無いとのこと。一方で UGEM は K氏製作の CCDF という新天体検出ソフトがベースになっていることも知ることができました。新星好きとしては、この CCDF というソフトウェアも大変興味があるところです☆

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