最近の流星観測の成果 (ATOM Cam2)

火球の監視

 まずは火球について、比較明合成した写真を10発アップ。観測は徳島県阿南市にて。ATOM Cam2 を北と南向きにセットし、2台体制で監視している。以下、10発中8発については、ATOM Cam2 標準アプリで自動検出されたものです。他2発は、SNS を眺めていて、火球の情報をたまたま拝見し、それを元にデータを目視でサルベージしたもの。時計は例によって (アプリ側の問題で) 数秒ずれていると思います。

2023年4月27日23時59分頃 (JST). 出現は北極星付近. カメラ北向き.
2023年10月16日4時32分頃 (JST). 出現はきりん座付近. カメラ北向き. 標準アプリで検出.
2023年10月23日2時42分頃 (JST). 出現はおうし座付近. カメラ南向き. 標準アプリで検出.
2023年10月25日21時18分頃 (JST). 出現ははくちょう座付近. カメラ北向き. 標準アプリで検出.
2023年11月1日18時13分頃 (JST). 出現はこぐま座付近. カメラ北向き.
2023年11月21日5時12分頃 (JST). 出現はこぐま座付近. カメラ北向き. 標準アプリで検出.
2023年11月22日3時52分頃 (JST). 出現はきりん座付近. カメラ北向き. 標準アプリで検出.
2023年11月23日2時48分頃 (JST). 出現はきりん座付近. カメラ北向き. 標準アプリで検出.
2023年12月7日22時43分頃 (JST). 出現はちょうこくぐ座付近. カメラ南向き. 標準アプリで検出.
2023年12月14日2時30分頃 (JST). 出現ははと座付近. カメラ南向き. 標準アプリで検出.

 ちなみに、10月23日に検出したデータですが、火球が二重に写ってしまっています。これは、後程詳しく触れますが、強雨対策で施していた自作のアクリルカバーの影響です・・・ 

 動画データについては YouTube にアップしています。単発ないしは複数で編集・UPしており、統一感がありませんが… 一応、blog 内でまとめておく。なお12月14日2時30分頃の火球は、ふたご群ですね(流星群は後程紹介するとおり、まとめ動画を作っています)。ATOM Cam2 での火球検出はもう何度も経験していますが、朝起きたとき標準アプリのアラート一覧をチェックし、火球が受かっていると、一気に目が覚めますね (^^v この火球が受かっていたときのワクワクは病みつきになる。

2023年のペルセ群とふたご群

 今年のペルセウス座流星群とふたご座流星群は、徳島では両方とも極大夜 (8/13 & 12/14) は快曇でまったく観測できなかった。ここで紹介するのは、極大前夜のデータとなる。ATOM Cam2 (カメラ) は北向きと南向きの2台体制で (カラー撮影)、流星の検出には東京の長谷川均さんが開発された meteor-detect (python) を用いている。以下の動画は、北&南向きのカメラで検出したものを、時系列で合体している。そのため、動画を見ていると、写っている星や景色も時々パッパッと切替るのであしからず。

北向きカメラ. 2023年8月12日の晩に捉えた流星 (比較明合成).
南向きカメラ. 2023年8月12日の晩に捉えた流星 (比較明合成).
北向きカメラ. 2023年12月13日の晩に捉えた流星 (比較明合成).
南向きカメラ. 2023年12月13日の晩に捉えた流星 (比較明合成).

 ちなみに、ATOM Cam2 のカラー映像は若干緑がかっているので、比較明合成した画像はカラーバランスを少し整えています。あと夏と冬のデータを見ると、気温の影響だと思いますが、明らかにノイズの量が違いますね。

最近の雨対策

 ATOM Cam2 は一応、防水仕様ですが、強い雨に打たれると、どこからか水が内部にさすようで、レンズの保護カバー内部が結露するようになったり、電気的に故障する場合もあります。かれこれ、私は強雨で計3台の ATOM Cam2 が天に召されました。

 そのため、自分は住宅用の気密テープを前面パネル四隅に貼っていた時期もあったのですが(過去記事参照)、強雨のさいは容赦なくカメラが水没(故障)しました。せっかくなので、壊れたカメラを分解して、どこから水が浸入したのか調べてみると、どうやら一番怪しいかったが SD カードの差込口と、前面パネル部分でした。

 SDの差込み口は一応、シリコンカバーがついています。しかしカメラをイナバウアー状態で空に向けているので、雨が降るとシリコンカバーの部分に直接雨があたり、水の侵入を容易く許してしまうのだと思います。その証拠にSD差込口から水が出てきたり、SDカードの金属部ももれなく錆びてました(このとき128GBのmicroSDカードもご臨終orz)。

 あとカメラの前面パネル部については(レンズ保護ガラス部も含め)、もちろん防水パッキンが存在しています。しかしカメラを空に向けた状態での運用(しかも屋外放置)では、各部紫外線による劣化が進みやすく、防水性能の低下を招くのだと思われます。ましてや、カメラを空に向けているので、前面パネル部にもビシバシと直接雨があたります。

 そこで、ATOM Cam2 の前面パネル部と、SD差込口に雨が直接あたらないように、アクリルカバーを自作し、数ヶ月だけこれをカメラに被せて運用していました。

自作のアクリルカバー。上から見た様子。内部側面をマジックテープで固定している。
自作のアクリルカバー。下から見た様子。ちょうど強雨に打たれた日。

 この自作カバーについては、狙い通り強い雨が降っても、水が浸入すると思われる部分に雨が直接当たらなくなりました。数ヶ月運用して、幾度かの強雨も乗り越え、水没の心配がほぼ無くなったぞ!万歳!となりました。し、しかし… 先に紹介したとおり、カバーが原因で火球が二重に写ってしまうことが判明し、それ以降使わなくなりました。恐らく、アクリルに細かなすり傷があるので、それが原因でしょう(新品の材料ではなく、ケチっていつかの端材を使ったのが良くなかったかな… )。

 そして、次に考え出したのが、UV カットフィルムの貼り付けです。このフィルムをべったり前面パネルに貼りつけ、前面パネルからの雨滴の侵入を防ぎます。このとき、四方は数mmほどカメラからはみ出すようにフィルムを貼り、はみ出した部分はカメラの側面に折り込んであげます。さらに、ビニールテープで四方をグルっと一巻きすることで、折り込んだフィルムの粘着部を補強。ビニールテープを巻くことで、ちょうどSDカードの差込口も保護できます。もちろん、SDカードからデータを抜き出したいときは、ビニールテープを剥ぐ必要があります。ちょっと面倒ですが、カメラが雨で壊れるよりマシです。

 現在、この補強方法で数ヶ月運用していますが、今のところ強雨による水没事故や、火球が二重に写るようなことは発生していません(念のためカメラ背面のスピーカー部分もビニールテープで塞いでいます)。ちなみに、UVカットフィルムを選んだのは、気休めでもカメラの劣化が防げればと思いチョイス。効果のほどは未知数ですが、そもそも貼り付けたフィルム自体の劣化もあるでしょうから、紫外線対策はやっていて損は無い気がします(人間のお肌と同じ!?)。

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