SeeStar S50 を使った測光観測の検証

はじめに

 このたび、星見屋さんの依頼を受け、日本変光星研究会の所属として、ZWO社SeeStar S50 を使った変光星の測光観測について検証を行うことになった (2023年9月上旬より)。デモ機を星見屋さんから送って頂き、それを検証機として用いている(なお検証に伴う報酬は一切受け取らない)。

2023年9月上旬、星見屋さんからデモ機として送られてきた SeeStar S50.
開封してみたところ. 本体とミニ三脚がすっぽり収まるケースに入っている.
夜間、自宅の庭で運用しているところ. 赤色 LED はバッテリー残量の表示.

 本記事は検証結果を備忘録的に書いていることを先に断っておく(※2023年10月時点の内容なので、アプリのアップデートにより機能等が変わっていることもあるので注意されたし)。予備知識として変光星の測光観測(CCD又はデジカメ測光)をしたことがないと、よくわからないことが多いと思われる。今後、測光結果が VSOLJ に報告しても良さそうであれば、将来的には SeeStar S50 を使ったビギナー向けの変光星観測のマニュアルを作る予定である。

 SeeStar S50 の基本的なレビュー(操作感や撮像等)については、他のレビュワーにまかせるが(天文ガイド11月号にもレビュー記事がありますね)、測光にも関わってきそうな機器の基本スペックについては以下に示しておく。

口径5cm
口径比F4.9
焦点距離246mm
イメージセンサーIMX462 (カラーCMOS)
センサーサイズ1/2.8″
解像度1080×1920
ピクセルサイズ2.9×2.9μm
A/Dコンバーター12bit
画角約0.7°×1.3°(縦長に撮影される
※1ピクセルあたり約2.4秒角
架台経緯台式
制御スマホアプリ (Seestar) より

FITSデータについて

 SeeStar の画像データはスマホで操作していると、スマホ内に画像データがとりこまれるが、これは JPEG 形式である。測光に必要なRAWデータは、FITS形式で機器内部のストレージに保存されている。FITS データを取り出すさいは、付属のUSBケーブルを使ってPCに繋ぐと SeeStar を外部ストレージとしてPCが認識するので、FITSデータを抜き出すことができる。

 SeeStar は10秒露光で撮影したデータをどんどんライブスタックして、S/Nを向上させながら撮影するスタイルの機器だ(用途は電視観望が主たる目的)。そのため、現状保存されるデータはRAW形式 (FITS) であっても、スタック後のデータが基本となる(アプリのバージョンアップに伴い、Ver. 1.8 でスタック前の画像が保存できるオプションが追加されたらしい)。ちなみに、現在のアプリの仕様では、露出時間は10秒で固定されており、変更することはできない (※その後、アプリのアップデートに伴い、20秒、30秒が選択できるようになった)。

 さて、まずはFITSデータのヘッダー部を見に行ってみたところ、以下のように記録されていた (このときアプリの Ver. 1.6.0)。測光する上で気になるパラメータはBITPIXDATE-OBSGAINEXPTIMEあたりだろうか。まず16ビットで記録されているようなのだが、チップは12ビットだった気がするのですが、なぜでしょう?あと、記録上GAIN は0らしいです。露出時間(EXPTIME)については10秒となっており、STACKCNTでスタック枚数を確認することもできる(下記の場合17枚スタック)。それから、DATE-OBS ですが、これは確認すると、ファイルを書き込む時間であり、露出開始時刻でも露出中央時刻でもない。あと撮影領域の(恐らく画像中央部の)RA, DEC がきちんと記録されていた。

SIMPLE = T / file does conform to FITS standard BITPIX = 16 / number of bits per data pixel NAXIS = 3 / number of data axes NAXIS1 = 1080 / length of data axis 1 NAXIS2 = 1920 / length of data axis 2 NAXIS3 = 3 / length of data axis 3 EXTEND = T / FITS dataset may contain extensions COMMENT FITS (Flexible Image Transport System) format is defined in 'Astronomy COMMENT and Astrophysics', volume 376, page 359; bibcode: 2001A&A...376..359H BZERO = 32768 / offset data range to that of unsigned short BSCALE = 1 / default scaling factor CREATOR = 'ZWO SeestarS50' / Capture software XORGSUBF= 0 / Subframe X position in binned pixels YORGSUBF= 0 / Subframe Y position in binned pixels FOCALLEN= 250 / Focal length of telescope in mm XBINNING= 1 / Camera X Bin YBINNING= 1 / Camera Y Bin CCDXBIN = 1 / Camera X Bin CCDYBIN = 1 / Camera Y Bin XPIXSZ = 2.90000009536743 / pixel size in microns (with binning) YPIXSZ = 2.90000009536743 / pixel size in microns (with binning) IMAGETYP= 'Light ' / Type of image STACKCNT= 17 / Stack frames EXPOSURE= 10. / Exposure time in seconds EXPTIME = 10. / Exposure time in seconds CCD-TEMP= 31.375 / sensor temperature in C RA = 325.94166 / Object Right Ascension in degrees DEC = 58.910556 / Object Declination in degrees DATE-OBS= '2023-09-07T13:29:18.968887' / Image created time FILTER = 'IRCUT ' / Filter used when taking image INSTRUME= 'ZWO ASI462MC' / Camera model BAYERPAT= 'GRBG ' / Bayer pattern GAIN = 0 / Gain Value FOCUSPOS= 1723 / Focuser position in steps CTYPE1 = 'RA---TAN-SIP' / TAN (gnomic) projection + SIP distortions CTYPE2 = 'DEC--TAN-SIP' / TAN (gnomic) projection + SIP distortions CRVAL1 = 325.864657001 / RA of reference point CRVAL2 = 58.4367581555 / DEC of reference point CRPIX1 = 620.462905884 / X reference pixel CRPIX2 = 424.348834991 / Y reference pixel CD1_1 = 0.000653455368759 / Transformation matrix CD1_2 = 8.05007464939E-05 / no comment CD2_1 = -8.05028320475E-05 / no comment CD2_2 = 0.000653512893025 / no comment A_ORDER = 2 / Polynomial order, axis 1 B_ORDER = 2 / Polynomial order, axis 2 AP_ORDER= 2 / Inv polynomial order, axis 1 BP_ORDER= 2 / Inv polynomial order, axis 2 A_0_0 = 0 / no comment A_0_1 = 0 / no comment A_0_2 = -8.30492838653E-08 / no comment A_1_0 = 0 / no comment A_1_1 = 2.8993066821E-07 / no comment A_2_0 = -1.56753469845E-07 / no comment B_0_0 = 0 / no comment B_0_1 = 0 / no comment B_0_2 = 9.10789361412E-09 / no comment B_1_0 = 0 / no comment B_1_1 = 1.11958634748E-07 / no comment B_2_0 = -2.18285922543E-07 / no comment AP_0_0 = 7.79688085006E-06 / no comment AP_0_1 = 8.44448105368E-09 / no comment AP_0_2 = 8.30006016543E-08 / no comment AP_1_0 = -4.3014317931E-09 / no comment AP_1_1 = -2.89818945813E-07 / no comment AP_2_0 = 1.5672062992E-07 / no comment BP_0_0 = 9.43750745103E-06 / no comment BP_0_1 = -4.5521709248E-09 / no comment BP_0_2 = -9.12833091452E-09 / no comment BP_1_0 = -1.35940894416E-09 / no comment BP_1_1 = -1.11859946114E-07 / no comment BP_2_0 = 2.18202657047E-07 / no comment IMAGEW = 1080 / Image width, in pixels. IMAGEH = 1920 / Image height, in pixels.

何等まで写るのか?

 先に示したFITSヘッダーの画像を以下に示す。これはテストで撮った μ Cep (ガーネットスター)で、スマホ内に保存されたJPEG画像となる(いわゆる撮ってだし)。画像は露出10秒で17枚スタックされている(総露出時間170秒)。ちょうど南中を過ぎたあたりで撮影したこともあり、画像の上がおおむね北になっている(ただし、撮って出しは上が南だったので、本記事の画像は180°回転をかけている)。

中央に写っているのがμ Cep (ガーネットスター). 2023年9月7日22時29分頃 JST 撮影 (露出10秒×17枚スタック). 時刻はFITSヘッダーから採用しているので、正確には撮影終了時刻となる.

 測光の検証をする前に、単純に画像の見た目だけで、何等まで写っているのか確認をしてみた。比較のさいは、カラー画像をマカリィで読み込み、R, G, B画像のうちG画像を用いている。星表 UCAC4 のV等級と比較したところ、SeeStar S50 (10秒×17) の画像から、16等台の星が写っていた。なお、観測地は自宅の庭で、新月期であれば夜空の明るさは約 20.3 mag/□” となる。

【左】Aladin Sky Atlas の画像. 【右】先のμ Cep の画像の一部.
(【右】の写真はG画像, レベル補正あり)

 16等台が写るということは、当然のことながら冥王星も写るだろうと思い記念撮影。以下のとおり、バッチリ写っていた (ステナビによれば14.4等らしい)。しかしながら、架台が経緯台なので、どれが冥王星なのか同定する場合は、比較する星図が地平座標になっていないと、ビギナーには難しいかもしれない(ステナビなどのソフトを持っていれば座標系をすぐ切り替えられるので問題ない?!)。変光星観測に用いる場合も、目的星の同定は撮像前の必須作業なので、経緯台の場合、星図との比較はある程度の慣れや工夫が必要といったところか。

2023年9月12日21時04分頃 JST に撮影した冥王星. 10秒×19枚スタック (撮って出し).

とりあえず測光してみた

 さて、長い前置きになったが、カラーCMOS画像は測光できるのか?そこでかつて、自分がデジカメ測光の検証でやったことを少し試してみることにした (げげっ!デジカメの検証ってもう13年も前のことなんだ・・・)。

 まずはFITSデータ (先のμ Cep の画像) をマカリィで、G画像のみ読み込む。読み込んだG画像に対し、そのまま飽和していない星について、約30個測光してみた。そして、UCAC4 のV等級を参照し、横軸に器械等級、縦軸にV等級をとってグラフを描いてみると以下のようになった (当然、μ Cep は明るすぎて飽和している)。

SeeStar S50 の撮像データ (10秒×17枚スタック) のうちG画像について測光した結果. 器械等級はマカリィの測光結果より計算. V等級は UCAC4 を参照した. 右上がりに示した破線は、ただの直線で、回帰直線ではない.

 一応、デジカメと同じような感じで、線形性が確認できる。明るい星は8等くらいまで飽和していなさそうで、暗い星は15等くらいまでなら一応測れそうな感じだ。

 ちなみに、飽和していた星のカウント値を見ると、6万5千カウントを超えていた。つまり、FITSのヘッダーにもあった通り、記録じたいは16ビットだということがわかる。しかし、例えば同型のチップを搭載した ZWO ASI462MC についても、12ビットだよ、と表記がなされている。これって本当は12ビットなのに、疑似的に16ビットで記録する「魔法」が使われているようなのだ。もし詳しい方がいれば、この「魔法」が何なのかご教授頂けると幸いである m(__)m

 あと、SeeStar S50 に搭載されているCMOSチップ (IMX462 / ASI462MC) の分光感度特性、これは一応公開されている。グラフを見ると、G画像は 650nm から赤外に至るまで感度があるようだ。しかし、SeeStar S50 には星見屋さんの FAQ にもある通り、UV/IR カットフィルターが標準装備されている。ZWO で公開されているフィルターの透過域を信じるなら、700nm より長い波長域についてはカットされている。ではフィルターありの状態でR, G, B の分光感度特性がどうなっているのか、それは公開されてないし、多分誰も調べたことがなさそうなである。この点については、一度自分で回折格子でも使って測定してみる必要がありそうだ。

 それから、測光のさい1次処理(ダーク&フラット)については、ダークのみ処理された状態になっている。SeeStar S50 は撮像をはじめるさい(以下のスクショのような表示が出て)、ここで必ず最初にダークを撮る動作が入るようになっているらしい。本機は内臓フィルターホイールにダーク用の遮蔽板が入っており、撮影時に自動で勝手にダークを撮って減算もしてくれるようなのだ。

SeeStar S50 の撮像開始前の動作画面. このプロセスでダークが撮像されているらしい.

SS Cyg のモニターと測光

 G画像については、とりあえず線形性も確認できたので、1日1点の観測ですむ変光星で測光のテストをしてみることにした。目的星は結果がわかりやすい矮新星の親分こと SS Cyg (はくちょう座SS星) をチョイス。明るさの変動幅的にも SeeStar S50 との相性は良さそうで、運よくちょうどモニターを初めてからすぐに、以下のようにアウトバーストを検出できた。

SeeStar S50 で観測した矮新星 SS Cyg (画像はG画像). 黄色マークの先にある星が SS Cyg となる. 画像左側が静穏時の暗い姿、右側がアウトバースト時の明るい姿. 画像の上がほぼ北. 円形にトリミングしているのは、視野回転の影響があるので、長方形の画像のままでは (綺麗に見た目良く) 南北を合わせるのが難しかったため.

 ここで、国内のデジカメ測光で主流になっている、”cG” 等級を求めてみることにした。この光度体系は VSOLJ 内で約10年は使用されており、デジカメのG画像について星表のV等級と比較して等級を求めた場合に用いられている。将来的にビギナー層への波及も想定し、計算には永井和男氏がデジカメ測光用に開発されたフリーソフト digphot4 を用いることにした1。このソフトは器械等級とカタログ等級から最小二乗法で1次の近似式を求め、その近似式を使って目的星の等級を算出している。以下に、9月12日における計算の様子(スクショ)を示す。その結果、12日の SS Cyg の明るさは約 11.64 等 (cG) という値が求められた。

 同様に他の数日分の観測日についても測光したので、結果を併せてテーブルに示す。

永井和男氏が開発した digphot4 を用い、SS Cyg の cG 等級を計算した様子. 画像の測光はマカリィにて行い、その結果をソフト内にコピペ. カタログ値は UCAC4 の V等級を参照した.
Date (UT)mag (cG)err
2023/09/12.52711.640.05
2023/09/13.50611.760.05
2023/09/14.51611.720.05
2023/09/25.5568.710.02
2023/09/27.5228.860.06

 計5日間の測光の結果、cG 等級としては良好な結果を得ているように見える。ついでにVSOLJ に報告されている SS Cyg のデータと併せてライトカーブを作ってみた。ライトカーブに落とし込んでみても、SeeStar S50 のG画像を用いた測光結果 (cG) は、他の観測者と大きな差はなさそうである。

SS Cyg のライトカーブ (2023年8月~10月頃までの期間). データは VSOLJ より. SeeStar S50 の測光結果 (cG) は赤色のバツ印で表記している.

現段階のまとめ

  • SeeStar S50 (カラーCMOS) で観測されたFITSデータについて、R, G, B 分解し、G画像について測光の検証を行った。
  • 測光にはフリーソフトのマカリィ(国立天文台)を用いた。
  • その結果、G画像の器械等級とUCAC4 のV等級の間に、線形性が確認できた。
  • 現在の SeeStar S50 の仕様だと(露出時間が10秒固定なので)、およそ8~15等の星が測光可能と考えられる。
  • SeeStr S50 で SS Cyg のモニター観測を数日間行い、アウトバーストが検出できた。
  • デジカメ測光と同じ方法で、SS Cyg の cG 等級 (digphot4 / 製作者: 永井氏) を求めたところ、VSOLJ の報告データと大きく矛盾しない結果が得られた。

SeeStar S50の良き点(測光観測をする上で)

  • 望遠鏡が軽くて、設置と撤収が非常に楽ちん(観測もすぐはじめられる)。
  • 設置時は特に望遠鏡の向きや方位を気にしなくて良い。
  • オートフォーカスがきく。
  • バッテリー内臓なので、電源が不要。
  • 約8万円(電視観望用のオールインワン望遠鏡としては破格)。
  • スマホから無線 (WiFi) で制御するので、室内から観測できる。
  • ZWO 社のプレートソルブ機能により、天体の自動導入で困ることがほぼ無い(初心者に超やさしいと思う)。※ただし、変光星などリストに無い天体の導入にはコツがいる。

気になる点

  • 露出時間が10秒のみ(※その後アプリのアップデートで20秒、30秒が選択可)。
  • Gain は本当にゼロなのか?2
  • 12ビットのチップなのに、16ビットで記録されているのは何故?3
  • 変光星などアプリのリストに無い天体は、アプリの星図とファインディングチャートなどを頼りに導入位置を見定め、プレートソルブするしかない。
  • 経緯台なので、撮影された画像の南北がつかみづらい。(目的星の同定は、地平座標が表示できる星図ソフトと見比べると良き。)
  • ライブスタック後の画像に記録されている時刻は撮影終了時刻となる。(測光を目的とする場合は、スタック前の画像を個々に保存する設定にして、1枚目の画像と最後の画像から露出中央時刻を算出する必要がある。)
  • そもそも時刻は何と同期している?(スマホの時計?)

  1. [2024年2月8日追記] digphoto4 をWindowsで動かす場合、必ず “Visual Basic 5.0(SP3) ランタイム” を併せてインストールしてください。これを入れないとソフトが起動しません。 ↩︎
  2. 他の画像も調査したところ、2023年9月7日~14日の期間に撮影したデータは全て、Gain = 0 でした。このときアプリのVer. 1.6.0 又は 1.7.1 となる。一方で、9月25日、27日のデーは全て Gain = 80 で記録されていました。9月21日にアプリのアップデート(Ver. 1.8)があったので、これが原因でGain =0 から 80 で撮影されるようになったのか、あるいは元々 Gain = 80で撮ってたけど、FITSのヘッダーにちゃんと書き込んでいなかったのか。どっちかですね。なお星見屋さんの情報では、10月12日にアップデートされた Ver. 1.9 においてもGain = 80 で記録されているとのことです。(参考: アプリの更新履歴はDLサイトから見れる) ↩︎
  3. [2023年10月15日追記] この件について岡山の Mhh さんと O さんからコメントを頂戴しました。そもそも、FITS の BITPIX はルールとして 12 bit が記述できないようなのです(有効なBITPIX値: 8, 16, 32, 64, -32, -64 / 参考: FITS ユーザーズガイドより)。そのため、便宜上FITSのヘッダーは 16 bit で記述する必要があるのでしょう。ちなみに、ZWOのライブスタックという処理は加算平均だと思われるので(星見屋さんにも確認済)、それならば、飽和している星のカウント値は12ビット (カウント値4096) のまま頭打ちになるはずだ。ところが、先にも書いたとおり、飽和している星のカウント値は65536に達している。なお、数枚程度のスタック画像も、80枚近くスタックした画像も BITPIX は16となっており、ファイルサイズもほぼ同様だ。まだよくわからないが、12ビットを16ビットに(見かけ上)再スケールするような処理が働いているのかもしれない。 ↩︎

期待したいアップデート

 星見屋さん曰く、将来的にアプリ側のアップデートで、”pro” モードなるものが追加されるかもしれないとのこと。それを見越して?、変光星の測光観測にもあったら嬉しい機能を以下に挙げてみた。

  • 露出時間の変更オプションがあれば嬉しい。これが可能になれば、暗い星を測光する場合は多少なりとも S/N 向上が期待できる(ただし、経緯台式なので、視野回転のことを考えると、10秒より長い露光はあまり現実的ではない側面もあるだろう)。一方で、10秒より短い露出時間が使えれば、もう少し明るい星が測光できようになるなど、観測対象の幅が広がるはずである。
  • 簡便に矢印とかでも良いので、画像の南北を表示できるオプションがあると嬉しい(プレートソルブを使っているので、アプリ側で南北の把握は容易なはず?)。
  • 現状、星図ソフトにGCVS名(変光星名)をちらほら確認できるが、検索リストには入っていないので、GCVSを追加DLして検索できるオプションがあると嬉しい(観測効率が劇的にアップするはず)。
  • 任意の天体(RA, Dec)をリストに追加できるオプションがあると嬉しい(新天体に対応しやすくなる)。さらに、RA, Dec を直接入力して導入する機能もあると嬉しい。
  • 時刻の記録方法のオプションがあると嬉しい(例: 露出開始時刻、露出中央時刻、露出終了時刻の3パターンなど)。
  • 変光星の測光ができるのであれば、掩蔽観測(恒星食)にも使えそうな気がする。動画の撮影機能やオプションが充実すれば、色々検証ができそうだ(例えば動画撮影時の露出制御、スマホのGPSを使った時刻の強制同期、映像内に1/1000秒までの時刻をスーパーインポーズ、avi での保存… etc.)。

さらに検証してみたいこと

  • 透過型回折格子を使った R, G, B 画像の分光感度特性の測定(UV/IRカットフィルターが入った状態でどうなっているのか?)
  • アプリが Ver. 1.8 になったことで、スタック前の画像をFITSで個々に保存できるようになっている。そこで、それらのファイルを使って連続測光観測を試してみたい。観測対象は短周期の食連星など。
  • Ver. 1.8 のアップデートには、マニュアルフォーカス機能も備わったらしい。 現状、露出時間の変更ができないので、デフォーカスすることで、8等よりも明るい星の測光に使えないか検証してみたい。
カテゴリー: 観測機材 タグ: , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です